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第1回(2004年度)都市住宅学会関西支部学生論文コンテスト

第1回都市住宅学会関西支部学生論文コンテストは,2005年3月5日(土)に大阪大学中之島センターセミナー室において,応募論文の公開発表会と審査,表彰式が開催された。
午前中の卒業論文部門では,応募論文5編の発表と質疑応答が行われ,6名の選考委員からなる選考委員会による審査の結果,下記のように最優秀賞1編,優秀賞2編が選ばれた。また,午後の修士論文部門では,9編の発表があり,選考委員会による審査の結果,最優秀賞1編と優秀賞3編が選ばれた。
なお,以下受賞者氏名の後の[ ]は論文提出先学科または研究科を示す。

卒業論文部門最優秀賞
濱名麻衣子[京都大学工学部建築学科]
都市型戸建住宅地における空地の協調の手法に関する研究
授賞理由:戸建住宅敷地内の空地の協調化モデルを提示し,事例の分析をもとにした空地協調手法を提案したもので,都市型住宅に関わる今日的,独創的なテーマであること,適切な論旨の進め方,現実的にも十分有用な提案を導いた点などが高く評価された。

卒業論文部門優秀賞
井上 太裕[大阪市立大学環境都市工学科]
密集市街地における近年建築された戸建て住宅および居住者の特性-堺市湊・湊西地区を事例として-
授賞理由:狭小敷地のもとでの3階建戸建住宅による住環境への影響を,アンケート調査とヒアリング調査によって詳細に分析しており,ハードな空間性能のみならず居住者の維持管理面や定住性からの問題点を明らかにしたことが高く評価された。

馬場 麻衣[福井大学工学部建築建設工学科]
居住体験からみた福井市郊外住宅団地居住者の住居観・住意識
授賞理由:居住体験が新たな住要求を育てるという仮説のもとに,アンケート調査から住居観・住意識を緻密に分析し,とりわけ,こども時代と独身時代の居住(地)体験の影響の違いを実証的に論じた点が高く評価された。

修士論文部門最優秀賞

柱 健太郎[大阪大学大学院工学研究科]
千里ニュータウン近隣住区における住環境運営のしくみから見た社会空間構造の変容について-吹田市津雲台をケーススタディとして-
受賞理由:ニュータウンの住環境更新に関わる居住者の空間的・社会的「働きかけ」に注目したテーマの独創性,ヒアリングを中心とした調査分析内容の精緻さと分析結果の表現手法は極めて優れており,全体的な論旨の展開と結論にもとづく今後の住環境運営のしくみの提言の有用性も高く評価された。

修士論文部門優秀賞

石田 真葵[大阪市立大学大学院生活科学研究科]
女性のライフスタイル選択と住宅格差に関する研究-EU諸国と日本との国際比較-
受賞理由:居住環境条件が女性のライフスタイル選択に及ぼす影響を,その選択自由度と住宅格差という視点から,関連指標によって国際比較する意欲的な研究であることが高く評価された。データの蓄積による今後の研究発展の可能性にも期待がもてる。

尾形 圭一[京都大学大学院工学研究科]
コモンズの視点から見た「場所」の持続的利用に関する研究
受賞理由:「コモンズ」という概念からみた独創的な「場所」の利用・管理モデルを提示し,そのモデルを事例に適用し詳細な分析を試みる完成度の高い論文である。結論として導かれた場所の持続的利用に関する課題と方向性も高く評価された。

三笠 友洋[神戸大学大学院自然科学研究科]
計画的住宅地の環境単位とその長期的変容-大阪府池田市室町地区を対象に-
受賞理由:「環境単位」という概念を用い,住宅地の長期的変容を,文献や現地調査にもとづいて明らかにしたもので,敷地レベルでの詳細な空間変容を的確に捉えている点や,論文全体の論旨展開の適切さなどが高く評価された。

三輪康一(都市住宅学会関西支部学生論文コンテスト実行委員会)